
2 月 1 日(日)、恒例の新年会がホテルコンチネンタル府中で開催され、93名が参加しました。司会・進行は秋山実君(1986 理工)。冒頭、堀尾会長が「この1年も8名の新入会員を迎え、当三田会は会員数約240人と近隣の三田会の中でも有数の規模となっている。本日発行の『調布三田会報』55号は創立40周年記念号で読み応え十分。私の任期は(5月の総会まで)あと数カ月だが、50、60周年に向けて会員の皆さんのさらなるご指導と支援をお願いしたい」と挨拶。続いて飯島正行君(1991 理工)が「(競馬場のある)府中という午年にふさわしい場所での開催で思うのは丙午のこと。私は丙午翌年の生まれだが人数の少ない丙午学年の煽りを受け高校+駿台で4年過ごす羽目になった。でもそのお陰で世界一の名門慶応に入ってこうして皆さんとお会いすることができる幸せをかみしめている」と笑いを交えた挨拶から乾杯の発声を行い、会場は一気に和やかな雰囲気に。それから柳本正博君(1971 政)ほか8人の新入会員の自己紹介と続き、懇親に移りました。

あちこちで談笑の花が咲き、会場全体が賑やかになるなか、音曲師・桂子すみさんによるアトラクションが始まりました。桂さんは東京学芸大学卒業後にウィーン国立音楽大学に国費留学しミュージカルを専攻。帰国後に三味線弾きを志し、国立劇場第11期寄席囃子研修を経て落語芸術協会にてお囃子として活動後に音曲師に転向したという、邦楽・洋楽のジャンルを飛び越えた多彩な経歴をお持ちの方。音曲師とは寄席で落語の合間に三味線など邦楽器に合わせて小唄などを聞かせる江戸時代に生まれた舞台芸人を指しますが、桂さんは唄・三味線のほか尺八も吹き、古典のみならずオリジナルの新作も手がけ、三味線またピアノ弾き語りのシンガーソングライターとしても活動されています。2022年(令和3)には若手演芸家の登竜門、国立演芸場の花形演芸大賞を音曲師で初めて受賞しました。

今回のステージでは江戸三味線と津軽三味線との違い、尺八の音の特徴といった豆知識も交え、明治時代に日本に西洋音楽が入ってきた影響で変容した音曲の歴史といった話題も織り交ぜて、音曲の魅力を三味線の演奏に合わせ語っていただきました。また伝統も大切にしつつ、新たな挑戦として自ら作詞作曲を手がける桂さんは、今回も自作を披露。「アルプス一万尺」のメロディーに乗せて、自宅の冷蔵庫が壊れた時の経験をモチーフにした(笑)ユーモラスな歌詞を三味線に乗せ「レイロロレイロロ」というヨーデルの節回しで声量亜豊かに歌い上げました。演目後半では尺八でアメージンググレイスと「ヨイヤサー、ヨイヤサー」の節で知られる「長崎さわぎ」を演奏。聞き手を引き込む巧みな演奏が軽妙洒脱な話術とも相まって、会場は大いに盛り上がりました。

宴半ばに調布市長の長友貴樹君(1976 政)からの挨拶があり、終盤にはこれも恒例となっている腰原武人君 (1990 政)のトランペット演奏と川原哲郎君(1992 経)の見事なリードにより、全員で肩を組んで「若き血」を大合唱。最後に今年卒業 50 年となる古川善朗君(1975 法)が中締めの挨拶として「塾長も務められた清家篤さんの、健康寿命と合わせ職業、資産の三つの寿命を延ばすことが生涯現役のために不可欠という言葉が常に心にある。今私は74歳だが、三田会テニス同好会で指導を受けている大先輩の益子淳(1968 政)さんにはいつも圧倒されていて、益子さんに接する度に清家さんの言葉を思い出す」と締めくくり、楽しく和やかな雰囲気のなか、お開きとなりました。 平井信太郎(1989 文)
