秋の音楽会 2023年 開催報告

2023年度の秋の音楽会は10月1日(土)に津軽三味線奏者2名をお招きして、たづくり大会議場で開催されました。一人は我々の後輩であり、環境情報学部を卒業して現在は大学院政策・メディア研究科博士課程1年の千葉楽斗(ちばがくと)さん、もう一人は2023年春に津軽三味線佐々木光儀流の二代目家元を襲名した高森彩花改め津軽三味線二代目佐々木光儀さん。二代目は今年4月に開催された第26回津軽三味線コンクール全国大会において優勝をおさめるなど、お二人とも若いですが、津軽三味線の実力者です。
  
今回の参加者はコロナ騒ぎが落ち着いたこともあり、近隣三田会など20名と合わせて総勢80名と大変大勢の方にお越しいただきました。

第一部はお二人の生演奏をたっぷり楽しんでもらうために合奏曲「六段」から始まり、青森県民謡「津軽あいや節」「津軽よされ節」、秋田県民謡「秋田荷方節」と続き、5曲目は千葉楽斗さん作曲で今回初公開のオリジナル曲と6曲目は同じくオリジナルのデュオ曲「疾風迅雷」で締めくくりました。マイクを通さなくても伝わる迫力ある演奏に皆さん魅了されました。

2023秋の音楽会プログラム0926

約30分のコーヒーブレイクでは参加者の輪にも加わり記念撮影など和やかな雰囲気に包まれました。

第二部は初めに千葉さんの大学院での比較音楽・民族音楽学の研究内容、今年の5月に国際学術誌に発表された音楽研究の研究論文について、プロジェクターを使って発表していただきました。初めて聞く専門的な内容に本物のワークショップに参加したような感じで、研究者としての千葉さんの一面も拝見でき、日本の伝統音楽に対する熱い思いも伝わり皆さん真剣に聞いていました。

そのあとは打って変わって皆さんと一緒に唄うコーナーとなり、全員で誰でも知っている「ソーラン節」「ドンパン節」「炭坑節」を合唱しました。そして最後は全員が立ちあがりさながら夏祭りのように輪になり「東京音頭」を踊りながら歌うという体験に皆さんの笑顔が印象的でした。

音楽会の最後はこれぞ津軽三味線と言われる全国大会優勝者のお二人による「津軽じょんがら節」の演奏でそのすばらしい超絶技巧に大きな拍手で盛り上がりお開きとなりました。

今回の音楽会は単なる音楽鑑賞だけではなく、学術的な研究発表を聞く機会となり、皆さんにも参加していただき合唱や踊りを楽しんでいただくなど、調布三田会の音楽会ならではの試みだったと思います。

柳谷一郎 (1980法)